テキスト - メル友物語
KOUICHIが実際に出会ったメル友ドキュメンタリー。S子編。
笑いあり涙無しの感動作品!
ちょうど失恋して間もない18歳の頃の話。
俺は早く新しい恋を見つけて、過去の傷を癒したかった。
そんな軽はずみな考えで出会い系サイトの門をくぐったわけだ。
さっそく友達に紹介してもらったサイトへ行ってみる。
ふむ、どうやら出会いサイトで出会うには…
・自ら書き込みをしてメールを待つ方法
・相手の書き込みを見てメールを出す
上記に挙げた二通りがあるようだ。
とりあえず俺は前者を選んだ。
出会い系初心者の俺は、無難に「友達からヨロピクね」的な書き込みをすることにした。
後はメールを待つのみ…。
30分くらい経ったろうか、所詮出会い系なんて夢幻。
メールは来ないと諦めてかけた瞬間…
♪ピローローロローピーロロー♪(HOWEVER/GLAY)
む!?
信長公のホトドギスばりに鳴かないと評判の俺の携帯が鳴っただと…!?
いざ…内容を確認!
はじめまして☆
S子と言います。家は○○市(俺の住んでるとこの近く)に住んでます。
よかったら私とメールしてくれませんか?
顔はロリ系って言われるよ!
ロリ系なんて言葉が通じるとでも思ってるのか…!
などと思いながらも喜んで返信。
しばらくメールをしていると、ふとした拍子に俺の失恋話になった。
ロリ系S子ちゃんは電話で俺の失恋話を聴いてくれると言ってきた。
電話!?そんな恥ずかしいじゃん><(当時の俺は汚れなき純粋BOYだった)
といいつつも、電話をすることに…。
♪ピローローロローピーロロー♪(HOWEVER/GLAY)
俺「あ、もしもし!電話でははじめまして。」
S子「あっ!こういち君~??はじめましてぇ♪」
ほぉ。この女、自称ロリ系な上にアニメ声と来たか。
それもすっごいかわいい声。
こやつ何者・・・
結局5時間にも及ぶ電話で、すっかり仲良くなってしまった。
しかも…!
それどころか…!
次の日会う約束までしてしまったのである…。
なんというスピード展開!?(当時の俺は汚れなき以下省略)
もしや俺は恋愛の天才かもしれん…!
などと浮かれながらこの日は眠った。
当時、撮影機能が搭載された携帯電話なんてものは、ごく一部の機種しかなかった。
俺もメールをくれたS子ちゃんもカメラ付きじゃないから顔は分からない。
俺は緊張していた…顔も見たことのない人と実際に会うこと。
もしS子ちゃんの容姿が残念な感じだったらどうしよう。
それならまだいい。
もしS子ちゃんが、俺の顔を見るや否や、あからさまに引いてたらどうしよう…。
うーん…考えるだけで気まずい。
しかし…!
今日はベストを尽くすのみ!
あくまで念の為…だが、部屋を掃除してみる。
鼻毛という鼻毛を抜き、金玉の裏にまで香水を付けて俺は待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ時間はPM 3:00。
待ち合わせ場所は駅前の時計台。
俺は10分前に到着。
心を落ち着けるため、マルボロに軽く震えた手を伸ばす。
なんだろうか…このシチュエーション。
緊張感と不安と期待が丁度同じ割合で同居しているような…。
PM 3:00…!決戦の時刻だ。
…そろそろ来ているはずだ。
♪ピローローロローピーロロー♪(HOWEVER/GLAY)
む!電話だ。
俺「もしもし」
S子ちゃん「あっ!こういち君?着いたよ♪やっと逢えるね」
ということは、今この時計台近辺に携帯を持っている女性がロリ系アニメ声ガールS子ちゃんというわけだ。
俺「どこどこ~?」
S子「赤いサンダル履いてるからすぐわかると思うよー!探してみて♪」
ほぉ。赤いサンダルをはいたロリ系アニメ声ガールS子ちゃんが俺を待っているというわけか。おもしろい。
俺が探そうとした瞬間、赤いサンダルが視界に入った。
俺「!?」
俺「(え!?)」
やばい。かわいすぎる。
当時大流行していた浜崎あゆみ的なギャルスタイルというか…!
何ということだ。こりゃレベル高すぎる。
俗にいうピンチである。
すなわちチャンスでもある・・・!(キリッ
俺がその赤いサンダルを履いた女性に声をかけようとした瞬間、背後から聴き慣れたアニメ声が!
?「こういち君~!!」
へ?
振り返るとそこには赤いサンダルを履いたブタが二足で立っていました。
体重は優に120kgは超えているだろうその圧巻たるボディ。
ボロボロの汚いジーンズと無地の少し黄ばんだ白Tシャツ。
そして小学六年生のランドセルばりに使い込まれた赤いサンダル。
無い無い。こんなネタみたいな女がS子ちゃんなわけが無い。
きっと逆ナンパ的なことなのか、宗教の勧誘的なアレだ。
一応…念の為だけど、目の前に立っているブタがS子ちゃんで無いことを確認をしてみることにした。日本語が通じるかは不明だが。
俺「えーっと??誰でしょう?」
?「S子よ!やっと逢えたね!どうする?カラオケでも行く??」
地獄のパーティーの始まり始まりぃ♪(死
道行くみんなが俺の方を見ている。
俺の方を見ている・・・というか正確には、俺の隣を二本足で歩いているブタ人間を見ているんだが。
おかしい。このS子・・・太ってるというかでかい。
なんていうんだろうか…漢字を一文字当てはめるなら「厚」だ。
そして、その残念たる容姿も然ることながら、不潔感がすごい。
とにかく服がボロボロで変色している。
醤油がこぼれた後と思われる色の滲みみたいなのが多数あった。
全部書けばキリが無いので割愛するが…兎に角、大魔王的なポテンシャルを秘めた人だった。
ちょっと待てよ。ロリ系じゃなかったのか?
どこをどう見たらロリ系なんだ?顔か?
豚鼻に超タレ目、少し出っ歯。…やばすぎる。
もしかしたら豚世界ではこの顔はロリ系なのかもしれない。
だから豚から見たらすごいかわいい顔なのか・・・
ってそんなアホな。
このチャンスに転向不可能なピンチをどう乗り切るのか。
…と思いつつも、このまま逃げ出すようなことは俺には出来ませんでした。
カラオケ店員「お時間は二時間でよろしかったですか?」
俺「はい(涙」
よりによって、何故カラオケにきてしまったのか。
店員の哀れみの目線も痛いし、ブタ子S子のテンションが若干高いのもうざい。
ドラゴンクエスト4のトルネコってこういう感じなんだろうなとか思った。
S子「こういち君ってバンドやってるんだよねー!歌とか上手いんじゃない?GLAYとか歌ってよー!」
声がかわいいのがまたムカツク。
何故お前は俺に曲をリクエストしているんだ!?あ?
ブタは養豚場にでもいってハムでも食ってろ!!
俺「ごめん、GLAYあんまり知らないんだ(訳:君には歌いたくないんだ)」
S子「じゃぁモンパチ(モンゴル800)歌ってよ!」
俺「まぁモンパチなら・・・」
俺は恋愛ソングは徹底的に避け、なるべく歌詞に刺がある曲を歌うことによって、SOS信号を発信している状態を保つことにした。
In two hours・・・
(二時間後)
店員「失礼します。お時間5分前になります。」
店員の声が神の声にきこえる。
後5分で、俺はこの苦境から逃れることができるのだ。
長かった・・・
カラオケを出たらすぐ家に帰ろう。
そう思っていたら・・・
S子「あ♪店員さん一時間延長お願いしまーす♪」
S子「延長しちゃった♪てへ♪」
もう豚子氏ね。
きっと俺は前世で犯した大量殺人的な罪を今、償っているんだ。
自分にそう言い聞かせ、一心不乱に歌った。
さすがに刺のある曲のストックが切れてしまい、後半はタイトルに「嫌い」ってフレーズが入ってる曲を選んで歌ってた。
もちろん知らない曲なのでアドリブでメロディ付けて。
やっとカラオケから出た俺とS子…
S子の"圧"が凄すぎたのか、カラオケの室内の時空は捻れ、3時間のカラオケは10時間以上のそれと同等に感じた。
やっと終わったよ。おうちへ帰れるよ…
S子「はぁ~おもしろかった!こういち君っていい感じかも!たぶんうちらって、フィーリング合うよね?さ、後はこういち君の部屋でまったりして過ごそう♪」
俺はこの豚が何を言っているかわからなかった。
いいか?豚語ってのは人様には通じねんだよ。養豚場へ帰れ!
そう言いたいのをグっと堪える。
イギリス人はどんな時でも紳士で無くてはいけない。
ま、めっちゃ日本人だけど俺。
俺「ごめんな、ちょっとこの後用事あるから…ま、また連絡するよ!(二度とするか)」
俺はS子のリアクションを確認するよりも先に、早歩きで退却した。
今日あったことは全て忘れよう。
今日は無かったことにする!!
バス停が見えてきた!
俺「疲れた…」
S子「そんなに早く歩くからだよぉ♪も~置いていかれるのかと思っちゃった♪」
なんでついて来てるんだよ!
S子もかなり息が上がってる様子。
何としても俺の部屋にくるらしい…
駄目だ。ここで本気で逃げておかないと後々面倒な事になりそうだ…
そうこうしてるうちにバスは来た。
仕方が無い…。
バスが停車し、俺とS子ブタ子はバスに乗り込んだ。
S子を席に座らせ、俺はその前に座る。
(S子がでかすぎて、隣には座れない為)
発車5分前。
S子「こういち君の部屋どんなんだろぉ~緊張するな~。コーラあるよね?」
うるさい豚。
発車1分前
S子「早くいかないかなーバス♪途中コンビニでコーラ買っていい?」
どんだけコーラ飲みたいんだよ。
発車15秒前
俺「あ、ちょっとここで待ってて!」
俺
バスから
降りる。
バス
ドア
閉まる。
S子
ビックリ。
バス
発車。
俺
見送る。
バス
進む。
さらば。
S子。
そして
バス
止まる。
ドア
開く。
S子
降りる。
S子
こちらへ
走ってくる。
S子「こういちく~~ん♪」
S子ぉぉぉぉぉぉーー!!!
S子「急に降りるからビックリしたじゃない♪運転手さんに待ってもらってるから一緒にバスにのろ♪」
もう限界だ。ちょっとオチ的にも強引なんですが、
俺はS子にゴメンと一言だけ言って
陸上部時代に培った走力で走って逃げました。
皆さんも、出会い系にはご注意を!
© KOUICHI